PDCAサイクルで学習スケジュールを考える
ビジネスの世界には「PDCAサイクル」というものがあります。これは業務改善に使われている方法論です。PDCAとは何かについては諸説ありますが、私は次のように考えています。(Actの考え方が独特ですが、とりあえずあまり気にしないで下さい。)
- Plan(計画):分析をもとに計画する。
- Do(行動):計画をもとに行動する。
- Check(記録):行動を記録する。
- Act(分析):記録を分析する。
計画→行動→記録→分析→計画→行動→記録→分析→……と繰り返し(サイクル)になっているところがポイントです。
さて、このPDCAサイクルですが、私は勉強法を考える上でとても役に立つものだと思っています。勉強法を考えることはPDCAサイクルを回すことである、と言ってもいいくらいです。
というわけで、今回はPDCAサイクルで1週間の学習スケジュールを考える方法を書いてみたいと思います。
なお、これは親子で一緒にやることを強くおすすめします。親が一方的にやっても子供は納得しないでしょうし、勉強法を考えること自体も重要な勉強だからです。
Check(記録)
PDCAサイクルは、初回はCheck(記録)から回した方が良いと思います。データが無いところで計画を立てても、無理な計画が出来上がるだけだからです。したがって、この記事でもCheck(記録)から順番に書いていきます。
まずは簡単なもので構いませんので、一週間の表を用意します。面倒な方はPDFファイルを用意しておいてので、こちらからダウンロードし、印刷して下さい。
そして、1週間の行動をこの中にひたすら記録していきます。これは本人が書いた方が良いでしょう。ただし忘れやすいので、親はこまめに声をかけてあげて下さい。
今回は中学受験の勉強について考えたいので、中学受験の勉強に関しては詳しく書きます。「勉強」だけではなく、「漢字」「計算」「社会テスト直し」といった具合ですね。
逆に、中学受験の勉強以外の部分に関しては簡単な記録で大丈夫です。「朝(準備)」「学校(ひとまとめでOK)」「遊び」「ゲーム」「宿題(学校の宿題)」「お風呂」「Zzz(睡眠)」といった具合ですね。
Act(分析)
1週間の行動を記録したら、続いてはこれを分析します。分析と言っても難しく考える必要は無く、表を見ながら親子でおしゃべりをするイメージです。「この日はゲームやらなかったんだね」「○曜日は中学受験の勉強に使える時間は少ないんだね」といった具合ですね。
この時に重要なのは、責めるような口調にならないことです。「この日はゲームばかりして」と責めるのではなく、「この日は○時間ゲームしたんだね」と淡々と事実を述べていきましょう。
なお、場合によっては「自分の子供はこんなにも無駄に時間を使っているのか……」と絶望的な気分になるかもしれませんが、現実は現実として受け入れましょう(笑)
実際のところ、起きている時間全てを有効に使える人間などいません。子供であればなおさらです。むしろ「無駄な時間の使い方に気づけてラッキー」ぐらいの気持ちでいきたいところですね。
Plan(計画)
分析をしたら、いよいよ計画作りです。新しい一週間の表を用意しましょう。そして、ここに1週間の学習スケジュールを書いていきます。親子で話をしながら、子供が自分で書き込んでいくのが望ましいです。
書き込んでいくうちに、すべきこと全てが書き込めないことに気づくことがあります。このような時は、学習内容の優先順位をつけるチャンスです。優先度が高いものから書き込んでいくようにしましょう。なお、優先度が高いものとは何かについては、また今度書きますね。
反対に、すべきこと全てがすんなりと書き込めてしまう場合もあります。しかし、これは錯覚である場合が多いです。
どういうことかと言うと、子供は意外とキツキツのスケジュールを立てがちだ、ということです。このような時は、親がフォローしてあげても良いですが、いっそそのままにして失敗させるのも良いでしょう。PDCAサイクルとは、仮説・検証の繰り返しだからです。
Do(行動)
計画を立てたら、後は行動するのみです。スケジュールを見ながら、1週間の学習を進めていきます。同時に、最初にやったように1週間の記録も取ります。
再びAct(分析)、そしてPDCAサイクルへ
1週間が経過しました。スケジュールと実際の行動を見ながら、再び親子で分析します。
この時、上手くいっていると思えるのであれば、PDCAサイクルはいったん終了です。このスケジュールでしばらく学習を進めていきましょう。もう記録を取る必要もありません。
上手くいかなかった場合は、その原因について話し合いましょう。繰り返しになりますが、責めるのではなく、事実を淡々と。そして原因が明らかになったら、再びPlan(計画)へと進みます。まさにサイクルへの突入ですね。
以上、今回はPDCAサイクルで1週間の学習スケジュールを考える方法について書きました。スケジュールが立っていないために全てが後手後手に回っているという家庭は多いです。もし「なんかおかしいぞ?」「もっと良くできるのでは?」と思った時には、試してみて下さい。