サピックス生は家庭教師をつけるべきか?
ネットを見ていると、サピックス生の親御さんで家庭教師をつけるか否かで迷っている方々が多いようです。中学受験をした親御さんのブログに「サピックスと家庭教師の組み合わせが最強。」という記事に見つけましたが、たしかにサピックスと家庭教師を組み合わせるのは強力だと思います。
しかしそうは言っても、家庭教師にはかなりの費用がかかるため簡単につけるわけにはいきません。そこで、この記事ではサピックス生を対象に、
- 家庭教師をつけた方がよいケース
- 家庭教師をつけることを検討した方がよいケース
- 家庭教師をつける必要はないケース
について書いてみたいと思います。
1. 家庭教師をつけた方がよいケース
算数が特に苦手な教科になっている場合は家庭教師をつけた方がいいと思います。というよりも、家庭教師をつけざるを得なくなると思います。
サピックスは総合成績別のコース(クラスのこと)になっているため、1教科だけ苦手な教科があった場合、その教科の授業はレベルがあわないものになってしまいます。そして苦手教科が算数の場合、この差を自力で取り戻すのは非常に困難です。なぜなら算数は積み上げ教科のため、前のレベルを習得していないと次のレベルにはいけないからです。レベルの高すぎる授業は苦手教科を更に苦手に変えてしまう可能性すらあります。
サピックスには質問教室(授業後に講師に一対一で質問できる時間)があり、分からない部分を個別に質問することもできますが、算数が苦手教科の場合は「そもそも何が分からないのか分からない」というケースが多いです。また、中学受験の算数は量が膨大なため、質問教室だけではカバーできないと思います。(誤解の無いように書いておきますが「この問題はよく分からなかった」という疑問を解決する場所としては質問教室はとても有用です。)
したがって、算数が苦手教科の場合は家庭教師をつけて、つまづいている段階を明らかにした上で一歩一歩追いついていくしかないと思います。
2. 家庭教師をつけることを検討した方がよいケース
国語が苦手教科になっている場合も、家庭教師をつけることを検討した方がいいでしょう。(読解が苦手な場合の話。漢字などの知識が苦手な場合は次の理科社会と同様。)
国語の読解が苦手な多くの理由は、根本的な読解法が身についていないことです。まともなサピックス講師であれば授業中に読解法を教えていると思いますが、国語が苦手な生徒はそれが身についておらず、目の前の問題を解くことばかりに一生懸命になっている可能性が高いです。
このような状態では、質問教室で特定の問題の答え方を聞いてもあまり得るものはありません。「読解法を教えて下さい」と言えば質問としては正しいですが、さすがにこれを質問教室の時間で教えるのは無理です。
このような場合は、家庭教師をつけて徹底的に読解法が身につけるのがおすすめです。読解法は一度身につけてしまえば後は演習を重ねるだけで成績が伸びていくので、そうなったら家庭教師はやめて構いません。
なお、家庭教師をつけるときは中学受験に精通している家庭教師をつけるようにして下さい。ただ問題が解けるだけの学生家庭教師では、生徒に読解法は身につけさせることはできません。これは算数も同様ですが、中学受験の家庭教師について言えば「安い講師を長く」よりも「高い講師を短く」の方がおすすめです。
3. 家庭教師をつける必要はないケース
理科や社会が苦手教科になっている場合は、家庭教師をつける前に家庭学習を見直すことをおすすめします。
算数や国語の読解とは違い、理科や社会では「理解できない」ということはほとんどありません。仮にあったとしても、たいていは質問教室で解決できます。そのかわり「覚える」ということが非常に重要になります。そして覚えるためであれば、わざわざ家庭教師をつける必要はありません。これは家庭学習の方法を見直すことによって対応できることです。
具体的な家庭学習の方法についてはこの記事の範囲を超えるため書きませんが、覚えることができていない子供の家庭学習は「繰り返しが足りない」ことがほとんどです。まずはここから見直してみましょう。
以上、この記事ではサピックス生を対象に家庭教師をつけるべきか否かについて書いてみました。中学受験の家庭教師の使い方については中学受験家庭教師ガイドというサイトで更に詳しく書いていますので、こちらも参考にして下さい。